15〜25時間の研修を、どう日程に割るか ── 半日×5回か、1日×2回か

「2日間にまとめてもらえませんか。何度も集めるのが大変で」

研修の相談で日程の話になると、最初に出るのがこの要望です。気持ちは分かります。20時間の研修を週1回に割ると、5週間にわたって毎週半日、同じ顔ぶれの予定を押さえ続けることになる。総務の担当者にとっては、それだけで1つの仕事です。

それでも当社は、実践コース(全20時間)の日程案を出すとき、まず「半日×5回、週1回」から提案しています。まとめたほうが楽なのに、なぜ割るのか。この記事はその理由と、割り方を選ぶときに見る材料を書きます。登場する会社や日程は架空の想定例で、実際の顧客事例ではありません。

20時間は「2日半」ではなく「5回」で数える

当社のコースは基礎が全15時間、実践が全20時間、応用が全25時間です。日数に直すと、それぞれ2日、2日半、3日と少し。ここで日数に直してしまうと、研修は「集合研修を何日やるか」の話になります。

数えるのは回数のほうです。回数が変わると、変わるのは受講者の予定だけではありません。回と回のあいだに、受講者が自分の業務で試す時間が入るかどうかが変わります。

研修の中では、匿名サンプルの学習課題で演習をします。御社の業務成果物を研修の中で作ることはしません。だから、覚えた型を自分の業務に当てるのは研修室の外、つまり回と回のあいだです。ここがないと、研修は「いい話を聞いた」で終わります。

地味ですが、この「あいだ」が効きます。

3つの割り方を並べる(想定例)

実践コースの20時間を例に、相談でよく出る3つの割り方を並べます。

20時間の研修を、半日×5回(週1)、1日×2回+半日、2時間×10回(週2)の3つに割ったときの、6週間の日程と、回のあいだに業務で試せる回数の違い
当社の標準はA。演習が一巡する長さと、業務で試す機会の数を、両方それなりに取れるからです(想定例)。
割り方期間回のあいだに業務で試せる機会1人が抜けたときに消える時間対面の場合の講師の移動
A 半日(4時間)×5回、週15週間4回4時間(全体の2割)5回
B 1日(8時間)×2回+半日1回2〜3週間1〜2回8時間(全体の4割)3回
C 2時間×10回、週25週間9回2時間(全体の1割)10回

Cは、一見すると理想に見えます。細かく割るほど抜けたときの傷は小さく、試す機会は増える。ただ、2時間だと演習が1つ終わるところで時間が来ます。説明を聞いて、手を動かして、講評を受けて、次に何を試すか決める。当社の演習はこの一巡で組んでいて、4時間がちょうど収まる長さです。2時間で切ると、翌回の冒頭が前回のやり直しになります。

Bは、集める手間がいちばん小さい。まとまった時間で一気に進むので、受講者の集中も切れにくい。弱いのは、試す機会が1〜2回しかないことです。連続2日で16時間やったあと、次の半日まで2週間空けば、その2週間で試した人と試さなかった人の差が、3回目の教室ではっきり出ます。

Aは、その中間です。当社が標準にしているのは、演習が一巡する長さと、業務で試す機会の数を、両方それなりに取れるからです。どの会社にも最善だから、ではありません。

記憶より「間で試す」ために、間隔は1週間

週1回にしている理由を、記憶の定着で説明されることがあります。忘れる前に復習する、という話です。それも一部はそうなのですが、当社が見ているのはもう少し実務寄りのことです。

回と回のあいだに、受講者は自分の仕事で1回、型を試します。月次報告のコメント、見積依頼のメール、会議の案内文。何でも構いません。うまくいかなかった箇所を、次の回の冒頭で出してもらう。これが1週間だと回ります。

隔週にすると、試したことを忘れます。「2週間前にやってみて、何か引っかかったんですが、何だったか」。これは本当によく起きます。逆に、毎日連続だと試す時間がありません。朝9時から夕方まで研修で、翌朝また研修。業務に触る隙がない。

1週間は、忘れない長さと、業務に1回触れる長さの、重なるところです。

繁忙期を避けるより、繁忙の曜日を外す

「繁忙期を避けて」と言われると、候補が年に2〜3か月しか残らない会社があります。経理は月末月初と決算、営業は期末、製造は年末。全部避けると、日程が組めません。

当社がおすすめしているのは、月ではなく曜日と時間帯で外すことです。

  • 経理・総務が入るなら、月末3営業日と月初5営業日を外し、月の中旬に置く
  • 営業が入るなら、月曜午前と金曜午後を外す。火曜か水曜の13時から17時が収まりがいい
  • 製造・現場の管理職が入るなら、朝礼と夕方の引き継ぎに重ならない10時から15時

週1の半日なら、この外し方で5回分を置けることが多いです。1日まるごとだと、朝礼も引き継ぎも全部かぶるので、外しにくくなります。

ここは会社によって違うので、断定はできません。受講者の名簿が決まったら、その人たちの「毎週動かせない予定」を先に聞くのが早道です。人選が先、日程が後。この順番はAI研修に誰を出すかにも書きました。

1人が抜けたときに、日程が壊れないか

5回のうち1回、営業の主任が商談で抜ける。これは起きます。

正直に書くと、ここはライブ型の弱いところです。当社の研修は同時双方向で進めるので、抜けた回を録画で埋める形にはなっていません。抜けた分をどう補うかは、日程を決める段階で当社と相談して決めます。別クラスへの振替ができるかどうかは時期によって違うので、ここで断定はしません。当日になってから考えると、間に合わないことだけは確かです。

助成金の利用を考えている場合は、受講者ごとに出席の要件があります。抜けが続くと、その人の分が対象外になることがあります。出欠と実訓練時間は当社が実施記録として引き渡す形なので、記録の話は助成金で求められる訓練の記録に譲ります。

日程の側でできるのは、抜けたときの傷を小さくすることです。Bの1日×2回で1日抜けると、20時間のうち8時間、4割が消えます。Aなら2割。ここが、まとめない理由のもう1つです。

それから、5回とも同じ曜日、同じ時間帯にしてください。「第2回だけ木曜」は、その回の欠席が増えます。

1日×2回が向く会社もある

ここまで週1を推してきましたが、Bが向く会社もはっきりあります。

拠点が3つ以上に分かれていて、対面で集めると1回ごとに移動が発生する会社。対面の講師交通費は実費なので、回数を減らせばその分は下がります。繁忙が季節で偏っていて、閑散期の2週間に収めたい会社。それから、社長が「来月中に終わらせたい」と決めている会社。

こういう場合、当社の週1の提案は合いません。そう言っていただければ、Bで組みます。その代わり、2日目と3回目のあいだを1週間以上空けて、そこで1回は業務で試してもらう、という条件だけ付けています。

オンラインと対面を併用して、1日目だけ対面で集まり、残りはオンラインで週1、という組み方もできます。ここは受講者がどこにいるかで変わります。

日程を決める順番と、計画届

順番は、受講者の名簿、動かせない曜日、回数、開始日です。開始日を先に決めると、あとの3つが全部その日に合わせて歪みます。

助成金を使うなら、開始日は計画届の期限から逆算します。逆算の仕方は先に日程を決めると、届出に間に合わないに書いたので、ここでは繰り返しません。

よくある質問

15時間の基礎コースは何回に割りますか?

半日(4時間)×3回に3時間×1回を足す形か、3時間×5回を想定しています。回数を減らすより、回のあいだに業務で試す機会が3回以上あるほうを優先しています。1日×2回に収めることもできますが、その場合は2日のあいだを1週間以上空けて、そこで1回は業務で試してもらう形をおすすめしています。基礎コースは3名から受けられます。

週1回を続けるうちに、後半の出席が減りませんか?

減る会社と減らない会社があります。分かれ目は、回のあいだに業務で試す宿題があるかどうかです。次の回で自分の結果を出す予定があると、抜けにくくなります。日程の側では、5回とも同じ曜日・同じ時間帯に固定し、月末月初や月曜午前を外すことで、業務都合の欠席は減らせます。それでも減るなら、人選の段階に原因があることが多いです。

毎日連続の5日間で20時間、という組み方はできますか?

できますが、当社からはおすすめしていません。回のあいだに業務で試す時間がなく、5日目には1日目の内容を業務に当てる前に研修が終わります。どうしても短期で終える必要がある場合は、1日×2回に半日1回を足し、2日目と3回目のあいだを1週間以上空ける形を提案しています。短期で決めたい事情があれば、相談の初回にそう言っていただければ、その前提で組みます。

割り方は、試す機会の数で決める

15時間でも25時間でも、見るところは同じです。回と回のあいだに、受講者が自分の業務で試す機会が何回あるか。1人が抜けたときに何割が消えるか。動かせない曜日をどう外すか。この3つで、半日×5回か、1日×2回かは決まります。

自社の繁忙と受講者の名簿を前にして、どう割ればよいか迷っている段階でも、お気軽にご相談ください。